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制度の保険
2021.09.16

「がん治療サポート」導入の背景と設計ポイント

「がん治療サポート」導入の背景と設計ポイント

「がん治療サポート」は福利厚生保険制度セーフティプランの本人・ファミリーコースのオプションとして、2020年度契約から導入した新しい補償です。おかげさまで導入からたくさんのお申込をいただいており、現時点で約3,500名もの皆様がご加入されています。
今回のコラムでは「がん治療サポート」の導入の背景と保障設計ポイントについてご紹介をさせていただきます。


筆者プロフィール

(株)NSFエンゲージメント保険ソリューション部社員 40代女性 夫・子ども2人の4人家族


1.なぜ今がん治療と仕事の両立なのか?

がんの治療といえば、昔は長期間入院をして治療するもので、不治の病というイメージが強い病気でしたが、医療技術の進歩でがんの治療は変化しています。厚生労働省の2014年患者調査によると、がん患者の数は2008年に入院と通院が逆転し、今では通院しながら治療する人の方が多くなっており、がんによる入院日数も、14年には19.9日と99年から半減しました。
こうした実情にあわせて、2016年「がん対策推進基本計画」の改正法が成立。国は、がんになっても仕事と治療を両立できるよう、企業などの事業主に対して患者の雇用継続に配慮する努力義務を課しています。

2.今までのがん保障だけで大丈夫?

元々、セーフティプランや多くの医療・がん保険には、病気の保障としてがんに対する入院・手術・放射線治療・先進医療の保障がついておりました。しかしながら、通院に対しては支払いの対象外となっており、長期間通院をしながらがんの治療をされている社員の皆様のお役には立てていないという現状がありました。そこで、がんの治療と仕事との両立に必要なサポートは何だろう?ということを改めて考え、「がん治療サポート」の開発を始めました。

3.がん治療にかかるお金は医療費だけではなくなっている。

色々と調べて分かったこととして、長期の通院によるがんの治療にかかるお金は、通院などによる治療にかかる医療費の他に、交通費などといった費用も大きくなること。もう少し視野を広げて、仕事との両立という観点でみると、上述の医療費や交通費の他に、ウィッグ代や、体力が落ちているため家事代行サービス費用などの負担があり、これらに対するサポートがあると助かるという意見が挙がっている事でした。
さらに、がんは多様な治療の選択肢があるため、健康保険では対象にならない自由診療の選択をされる方も多く、その場合の治療費は多額になります。

また、がんの治療は長期に渡る場合もあります。手術や抗がん剤治療などの直接の治療だけでなく、再発防止のための投薬治療で2年以上通院が必要なケースもあり、その場合は当然金銭的な負担や仕事との両立に対する負担は大きくなることも分かりました。

4.がんと仕事の両立をサポートする保障の形とは?治療の多様化と長期化がポイント。

上記のようなQOL(生活の質)の向上、治療方法の多様化に対応すべく、まずは、様々な費用に使えるよう、まとまった一時金を支払うことが大事であること。 また、治療が長期に渡り負担が重い社員の方を救いたいということから、一時金は1回だけの支払いではなく、最大6回(6年間)、治療が続いている場合に限り、年に1度受取っていただけるということも大事だと考え、保障の設計を行っています。
保険料については、既存の医療保障やがん保障にも加入されている方が多いので、オプション保障は保険料が割安であるということも大事になってきます。 保険料を割安に抑えるために、上皮内がんに対する保障は抑えるなどの工夫を加え、働き盛りの年齢層の保険料が安くなるように設計をいたしました。(30~34歳の保険料は310円/月、35~39歳の保険料は520円/月、40~44歳の保険料860円/月)

5.がん治療サポートの活用法

女性は40代から乳がん・子宮頸がんの罹患率が大きく増える年代でもあるということと、子供がまだ小さい今、がんに罹患し治療をするということになった場合、仕事と治療と両立していくことへの影響が大きいと考え、制度の導入に携わっていた私自身もがん治療サポートに加入しています。

がんに罹患して一時金を受け取ることができることになった場合、家事代行やシッターさんをお願いすることもできますし、髪が抜けてしまった場合はウィッグの購入にも利用できるなど、特に仕事と治療、加えて子育ての両立期に選択肢が増えることは、私にとってはとても大事だと感じます。
ただし、年齢とともに子供が大きくなったり仕事の大変さも変化していくことと思います。がんの罹患率は年齢とともに上がっていくため、保険料も5才刻みで上がっていきます。今は両立期なので、加入を続けていきますが、このまま加入をし続けるかどうかは、毎年の更新のタイミングのたびに検討していこうと思っています。

社員の皆さんも、まずは現在ご加入されている保険を見直し、ご家庭の状況なども鑑み、この保障をうまく活用いただけると嬉しく思います。

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