金利のある世界になった日本!
インフレでお金の価値が下がることに対する対策を考える!

5つの制度の活用事例や新制度の特集コラムを掲載しております。
毎月、FP相談室講師にコラムを執筆していただきます。今回はソニーグループ出身で在職中はFP相談室室長として活躍され、現在もFP相談室講師をされている佐々木荘二郎さんに保険コラムを執筆していただきます。
ぜひ、皆さまの福利厚生保険制度活用の参考にしてください。
※このコラムはFP相談室講師がインフレへの対応について解説をしたものであり、特定の制度や商品の募集ではありません。
■日銀がマイナス金利を解除!
2024年3月19日、日銀がマイナス金利を解除しました。
政策金利が-0.1%から+0.1%に引き上げられました。それまでの金利のない世界から金利のある世界への大転換です。
それに伴い、普通預金の金利は20倍に上げられました!とは言っても0.001%が0.02%へ上がったという程度のものです。
(2024年3月時点)
気になる住宅ローンの変動金利は今のところ上昇してはいませんが、固定金利は長期の金利が上がっている影響で上昇傾向が続いています。
インフレは止まらず、米長期金利の影響を受け円安が進み、物価の上昇が進んでいます。
日本の3月のCPI(消費者物価指数は)前年同月比2.7%と、高止まりしています。
春闘で大幅な賃上げがなされたとは言っても、実質賃金はマイナス状態ですから、生活は厳しくなっています。
世の中が動いてきましたね。
預貯金の金利上昇面は生活にプラスであっても、全般的には物価の上昇は厳しく、我々の日々の生活には厳しい面の方が大きいのではないかと思われます。
■2%のインフレとは?
政府が目指す年2%のインフレを考えてみましょう。
それは、100円のものが1年後に102円になるということです。
別の面からみると、100円を持っていても1年後に98円の価値になるということです。
このままインフレが続くと、円の価値はどんどん落ちて行くことになります。
普通預金の金利が0.02%では、100円が1年後に100.02円となるということので、とてもインフレには追いつけません。
マイナス金利解除で金利のある世界に突入しましたが、インフレで物価の上昇のある中、暮らしの上では、預金の金利が若干上昇したとしても、住宅ローン金利その他の上昇を考えると厳しい状況の方が多く、生活を守るためには対策が必要です!
もし手元に残るお金を単に普通預金等の預貯金としておいておくだけの貯蓄方法の場合、どんどん価値は目減りするだけとなってしまいますね。
■ではどんな対策が取れるのでしょうか?
ではこのような時にはなにをしないといけないのでしょうか?
そんなに難しいことではありません。
しっかりとある一定の運用利回りを確保した上での資産の形成の実行です!
何をやるべきかまとめてみたいと思います。 インフレに勝つには、元本保証の預貯金だけでは十分ではありません。
ある一定のリスクを取り運用利回りを確保するある必要があります。
リスクを取りながら、それを実行するには、以下の3つのポイントを確実に守りましょう。
1.貯蓄や投資に回すお金の額を決め、最初に生活費とは分けておきます。(先取貯蓄)
先取貯蓄とは、生活で余ったお金を貯蓄に回すのではなく、貯蓄・投資で余ったお金で生活するという発想です。
貯蓄・投資に回す金額を最初に決めましょう!
2.ある一定のリスクを取り、運用利回りを見込み、リスク資産で着実に資産形成する!
合言葉は「長期」・「分散」・「積み立て」です。
リスクをおさえながらも、運用することが肝心です!
「長期」(長い期間続ける)、「分散」(時間分散・資産内容等分散等)、「積み立て」(定額積み立て法※)で貯蓄・投資を続ける方法です。
※ドルコスト平均法(定額積み立て法)金融商品の価格の安いときに多くを買い、高いときに少なく買うことで平均の取得価格を抑えることができる購入法です!
3.低コスト・税制優遇は有効に活用
販売手数料のかからない(ノーロード)金融商品
信託報酬(運用手数料)の低いインデックス型の投資信託
少額投資非課税制度(新NISA)の利用で運用益をずっと非課税にする
等を有効に活用しましょう!
以上の3つのルールは3大ルールとして徹底して守りましょう。
■3大ルールに加え考えておきたいこと!
・リスク資産と安全資産との組み合わせで守りを固める!(以下の投資想定例参照)
土台には資産を守る 普通預金・定期預金(安全資産)総合個人年金(ソニーグループ福利厚生保険制度の年金商品)等の安全資産を置きます。
総合個人年金は、安全で1%程度の利回りが期待で来る商品なのでぜひこのラインナップに加えましょう。
その上にリスク資産で収益率をあげましょう。例として、インデックス型の株式投資信託を使ってリスクを取ります。
金融商品 | 金融商品の特徴 | 資産の種類 | 想定利回り | 投資割合 | 投資年数 | 投資元本 |
投資信託 (NISA等) |
リスクを取り運用する | リスク資産 | 5% | 50% | 20年 | 500万円 |
総合個人年金 (マイプラン) |
比較的に自由度が高い目的で 貯める |
安全資産 | 1% | 30% | 20年 | 300万円 |
総合個人年金 (ガッチリプラン) |
節税メインで着実に貯める | 安全資産 | 1% | 10% | 20年 | 100万円 |
普通・定期預金 | 元本保証で貯める | 安全資産 | 0.02% | 10% | 20年 | 100万円 |
1,000万円 |
・なるべく早くスタートする!
特に20代、30代の方は時間を味方につけ、長い期間の投資が可能です。福利効果でお金を増やすこともできます。
思い立ったらすぐにでもスタートを!
・運用イメージは以下の想定例を参考に! (自分に可能な額から始めよう!)
積み立て元本20年で1,000万円の例 20年後の残高2,734万円の万円の例
金融商品 | 年間拠出額 | 想定利回り | 1年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
投資信託(NISA等) | 50万円 | 5% | 50万円 | 276万円 | 629万円 | 1079万円 | 1653万円 |
総合個人年金(マイプラン) | 30万円 | 1% | 30万円 | 153万円 | 314万円 | 483万円 | 661万円 |
総合個人年金(ガッチリプラン) | 10万円 | 1% | 10万円 | 51万円 | 104万円 | 161万円 | 220万円 |
普通・定期預金 | 10万円 | 0.02% | 10万円 | 50万円 | 100万円 | 150万円 | 200万円 |
100万円 | 2,734万円 |
・投資信託は信託報酬率の低いインデックス型の株式投資信託を活用てはいかがでしょうか。
・新NISA制度では、「つみたて投資枠」専用の投資信託から検討をスタートしてみましょう。
・年間100万円で10年間の投資の例(10年で1,000万円)ですが、ここまで資産の拠出ができない場合、自分のできる額から始め、余裕ができてから拠出額を徐々に増やすことも良いのではないでしょうか。
■まとめ
世の中は確実に変わってきました。
金利のない世界から金利のある世界に変わったのです。
この状況では、いままでとは違い、準備をしておくのか、しないのかによって、私たちの置かれた状況は大きく変わります。
資産を預貯金だけにした場合、いままではよかったのですが、これからは資産が目減りします。
ある一定のリスクを取り、利回りを確保する必要があります。一部安全資産で守りを固めながら、リスク資産で資産を増やす努力をしましょう。
具体的にどのような資産で増やすか等は、FP資格者等専門家のアドバイスを受けることも良いのではないでしょうか?