国の健康保険と健康をサポートする民間保険の動向
5つの制度の活用事例や新制度の特集コラムを掲載しております。
毎月、FP相談室講師にコラムを執筆していただきます。今回は一色FPオフィスの代表であり、FP相談室講師でもある一色徹太さんに保険コラムを執筆していただきます。
ぜひ、皆さまの福利厚生保険制度活用の参考にしてください。
※このコラムはFP相談室講師がライフプランについて解説をしたものであり、特定の制度や商品の募集ではありません。
我が国の健康保険は「国民皆保険」で誰でも保険診療が受けられます。
自己負担額は上限3割と抑えられて いますが、長寿化の進展に伴い財政負担が重くなっています。
また厚生労働省の発表によると、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療保険の保険料は、2026〜2027年度に全国平均の見込み額で月7,989円と過去最高となりました。
加入者1人あたりの保険料は、2024〜2025年度と比べて7.8%(578円)増えています。
高齢化に伴う医療費の増大や、後期高齢者保険料の負担率の上昇が影響しており、2018〜2019年度以降、増え続けています。
このような厳しい状況のなか、生命保険会社のなかには、いわゆる「健康増進型保険」を販売しているとこ ろもあります。
なかには、生命保険にプラスして健康増進活動を促すプログラムを提供している商品も見られ ます。
当コラムでは、我が国の健康保険制度を確認するとともに、生命保険会社が取扱う健康増進型保険を紹介し ます。
そして、ソニーグループ保障共済会が行う新しい施策「健康診断・人間ドック検査費用補償プログラム」を紹介します。
我が国の健康保険には、図のような特徴があります。
まず何といっても「国民皆保険」となっており、すべての人が保険診療を受診できることが大きな特徴です。
また、「被用者保険と地域保険があること」、「収入に応じて保険料を納付すること」、「医療機関を自由に選択できること」も大きな特徴といえます。
我が国の健康保険は、令和7年4月時点で以下のようになっています。
皆さんが加入されているソニー健保は、全国で1,380ある健康保険組合の一つです。
一方、国家公務員や地方公務員は各種の共済組合に、自営業者等は国民健康保険にそれぞれ加入しています。
皆さんが病気やケガで病院や診療所などを受診する場合、「保険診療」を受けることになります。ただし、医療診療形態は以下のようにさまざまな形態があります。
①の保険診療はおなじみですが、④の先進医療をご存じの方も多いでしょう。
セーフティプランの本人・ファミリーコース(Aコース~Dコース)には、基本保障に先進医療保障(上限1,000万円)が組み込まれています。
大きな病気やケガをした場合、自己負担額がいくらになるか心配ですね。
健康保険には高額療養費制度があり、自己負担額を抑えることができます。
高額療養費制度とは、1ヵ月(同じ月)の窓口負担額が自己負担限度額を超えたときに、その超えた金額が支給される制度です(ただし、差額ベッド代や先進医療の技術料などは対象となりません)。
自己負担額は、70歳未満か70歳以上かで異なり、また、所得によっても異なります。
高額療養費制度は、2026年8月より制度の見直しが行われます。
政府は、患者の過度な自己負担を抑える「高額療養費制度」の上限額引き上げを2024年末に決めましたが、患者団体や世論の反発を受け、2025年3月に一旦見送りました。
しかしながらその後、2026年8月と2027年8月の二段階に分けての見直しが決定しました。
例えば、年収600万円の人は先ほどの図の自己負担限度額の87,430円が92,940円(+5,510円)に引き上がります。
見直しのポイントは以下のとおりです。
①月額上限が引き上げられます。短期的には負担増加となる場合があります。
②年間の上限額が新設されます。
③見直しは2026年8月と2027年8月の二段階で行われます。
年間上限が設定されることにより、長期療養や超高額医療など高リスクへの対応力は高まると考えられますが、一方、短期的には多くの人にとって、負担が増える可能性があります。
高額療養費制度は、誰もが使う可能性がある重要な制度ですので、変更点を確認しておきましょう。
生命保険会社においては、ここ数年「健康増進型保険」の販売が増えてきました。ここでは主な商品を紹介 します。
②や③のように「一定の条件を満たせば健康還付金を受け取ることができる」商品や、④のように「一定の条件を満たせば保険料率が安くなる」商品が多く見られますが、①のように各種の健康増進活動をポイント評価し、ポイントに応じて各種の特典が得られる新しいタイプの商品も見られます。
①は特に「リスク自体を減らすための行動変容を促すサービス」を提供する点が斬新といえます。
ただし正直なところ、生命保険業界全般においては、上記のような健康増進型保険に積極的に取り組んでいる会社はまだ少ないのが現状です。
これまで見てきたように、日本の健康保険制度は財政的に厳しい状態にあり、加入者の実質的な負担額は今後も増加していくものと考えられます。
高額療養費制度の見直しも重しになると思われます。
また、生命保険会社の商品を活用する場合でも、選択肢はまだ少ないと言わざるを得ません。
そのため、ソニーグループ保障共済会では、社員の皆さまの健康増進を図り、休職・離職リスクを軽減するため、「健康診断・人間ドック検査費用補償プログラム」を2026年4月より開始しました。
セーフティプラン加入者(「本人・ファミリーコース」に加入している本人および退職者本人、ただしEタイプ(傷害のみ保障)を除く)で年齢35歳~64歳の方で、「定期健康診断および人間ドックで「D判定」となった項目(血圧、脂質、血糖、腎臓)」について健診後240日以内に精密検査(二次検査)を受診した場合、最大1万円を実費支給(キャッシュバック)します。
健康診断・人間ドック検査費用補償プログラムには、次のようなメリットがあります。
当施策は、「社員の皆さま」、「会社」、「国および健保」、「共済会」の四者すべてにメリットが生じる画期的な取り組みといえます。
施策の目的はもちろんですが、「対象者の範囲が広い(多くの方がキャッシュバックを受けながら健康増進を図ることができる)こと」や「キャッシュバック金額の大きさ」が特筆すべきといえるでしょう。
生命保険や損害保険では、一度加入した後に付帯サービスが追加されることはほとんどありません。
また、健康状態についての電話相談サービス等が受けられる場合はありますが、費用の負担がある保障が契約後に付帯されることはまずありません。
ソニーグループ保険制度およびソニーグループ保障共済会ならではの斬新かつ画期的な取り組みで、対象となる方は、ぜひ積極的にお取り組みいただけますと幸いです。
繰り返しになりますが、健康診断・人間ドック検査費用補償プログラムは、この制度を利用することで加入者様ご自身が健康になることはもちろん、「将来的な共済金支払いが削減されることにより、共済会において、より割安な掛金提供が継続できる」という、好循環が期待できる制度です。
当施策について不明点がある場合や、利用にあたってお迷いの際は、ぜひ保険カスタマーセンターまでご連絡ください。