コラム

5つの制度の活用事例や新制度の特集コラムを掲載しております。

FP相談室講師による特別寄稿
2022.08.26

福利厚生保険制度を活用する(4)~介護両立支援プラン~

福利厚生保険制度を活用する(4)~介護両立支援プラン~

毎月(株)ポラーノ・コンサルティング代表のファイナンシャルプランナーであり、FP相談室講師でもある深澤泉さんに保険コラムを執筆していただきます。
著者の深澤さんはFP相談室設立当初よりFP相談を担当されており、 独立後も外部コンサルタントとして各TECの相談を担当。会社の各種制度を熟知して、ソニー社員ならではの悩みを解決していらっしゃいます。
ぜひ、皆さまの福利厚生保険制度活用の参考にしてください。
※このコラムはFP相談室講師が福利厚生保険制度について解説をしたものであり、特定の制度や商品の募集ではありません。


総合個人年金の活用法について解説した福利厚生保険制度を活用する(3)につづき、この記事では介護両立支援プランの活用法について解説をしていきます。

7.介護両立支援プランの活用方法

超高齢社会を迎え、働き盛りの人にとってのリスクに「親の介護」があります。
介護費用の負担、年間10万人といわれる介護離職者の存在は、親の介護がその後の生活設計において、経済的・精神的な負担となる可能性があることを意味します。
介護に関する必要な情報を入手し、介護サービスを効果的に活用して、介護離職を避けることが重要です。

「介護両立支援プランは」、親・配偶者・兄弟姉妹が所定の介護状態となって、所定の介護サービスを利用してその費用を負担したときに、その実費が保険金額を上限に支払われるものです。
受け取る保険金・共済金の総額によって4つのコースからなっています。
保障内容の詳細はこちらをご確認ください。

親が自身で介護保険に加入しているケースもあるかと思いますが、この介護両立支援プランは社員が親の介護と仕事を両立しやすくするという視点で制度設計がされているため、社員が休息するためのレスパイト費用や帰省費用も補償されることがポイントです。
また、どのようにサービスを利用したら良いか電話で相談できるサービスがついていますので、仕事と介護を両立するための不安を、専門家の知見によって解消することができます。

介護者が仕事をしている場合には、一日中介護に従事できるわけではなく、仕事に集中するためにも介護者側に経済的な負担は発生します。
親の介護が長引いた場合であっても、自身の仕事とライフプランを両立していくための備えとして福利厚生保険制度が用意されているということは非常に恵まれていることだと思います。

介護両立支援プランは実際にかかった費用を補償する制度となっているため、民間保険によく見られる一時金で保険金が支払われる保険と比較して設計面の工夫がされているほか、団体割引も適用されているので保険料が割安となっています。

この制度は基本的には親の介護と仕事の両立を支援するプランです。ここでは、活用を検討すべき方の代表例を挙げます。

(1)30代・40代社員こそ検討を
子どもの教育費や生活費が今後かかってくる世代において、親の介護というライフイベントが重なると資金計画が崩れるケースがあります。
対象者(親)の年齢が若い時は保険料も安く加入することができるので、仕事を続けていくためのリスクヘッジとして介護両立支援プランに加入するという選択肢があります。
親が60歳代で加入する際、介護期間が長引くことを想定して保険金額を1,000万円、700万円など、余裕を持った保険金額を設定しておきましょう。その後親が年齢を重ねていくにつれて、介護が必要な期間が短くなることを想定して、保険金額を500万円、300万円などのように見直し、合理的な設計とするとよいでしょう。
これにより、保険料負担が過大となることを避けることができます。

(2)配偶者などの介護のために
介護両立支援プランの対象者は本人や配偶者の父母のほか、本人の配偶者、本人の兄弟姉妹を含めることができます。
特に40歳代に入ると若年性の認知症で一定の介護が発生する可能性もゼロではありません。配偶者や兄弟姉妹の介護の可能性を意識した場合も、加入を検討しましょう。

8.さいごに

今回も福利厚生保険制度の持つ特徴を十分に活用するための視点を解説しました。
生活設計上のリスクを今一度幅広い視点で点検し、社会保険制度・会社制度をベースに、リスクマネジメントを実践しましょう。
福利厚生保険制度の保障内容は、そのヒントになるはずです。