コラム

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FP相談室講師による特別寄稿
2023.07.25

がんの現状を知ってがん罹患リスクに備えよう

がんの現状を知ってがん罹患リスクに備えよう

FP相談室講師にコラムを執筆していただきます。今回は一色FPオフィスの代表であり、FP相談室講師でもある一色徹太さんに保険コラムを執筆していただきます。
ぜひ、皆さまの福利厚生保険制度活用の参考にしてください。
※このコラムはFP相談室講師ががん保険について解説をしたものであり、特定の制度や商品の募集ではありません。


1.はじめに

「がんは治る時代」とよく言われますが、一方、「がんは2人に1人がかかる時代」とも言われます。
もちろん、必要以上にがんを恐れることはありませんが、がんを正しく知って万一に備えておきたいものです。
ここでは、各種のデータからがんの現状を確認し、がんへの備えを考えてみましょう。

2.がん罹患数の順位

こちらは、国立研究開発法人国立がん研究センターが公表している、部位別に見た最新のがん罹患数の順位のデータです。
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男性では、前立腺がんの罹患数が最も多く、以下、大腸がん、胃がん、肺がん、肝臓がんとなっています。
表には掲載していませんが、実際の罹患数(実数)で見ると大腸がん、胃がん、肺がんはあまり差がありません。
大腸がんをさらに結腸がんと直腸がんに分けると、結腸がんが4位、直腸がんが5位となっています。

女性では、乳がんが最も多く、罹患数(実数)で見ると2位の大腸がんの約1.41倍となっています。
3位以下は肺がん、胃がん、子宮がんの順になっています。大腸がんを更に結腸がんと直腸がんに分けると、結腸がんが2位、直腸がんが7位となっています。

全体では、大腸がん(同様に分けると、結腸がんは3位、直腸がんは6位)、肺がん、胃がん、乳がん、前立腺がんの順となっています。ここに挙がっている部位には特に注意したいところです。

3.がん死亡数の順位

次に、がんによる死亡数を見てみましょう。こちらは、部位別に見たがん死亡数の順位のデータです。
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部位により生存率に差があるため、がん罹患数とは順位が異なってきます。
さきほどの図表で男性の罹患数1位となっている前立腺がんは、死亡率が低いため5位以内には入っていません。
一方、早期発見が難しいことで知られる膵臓がんが、男性、女性とも5位以内に入っていることは注目されます。

4.累積がん罹患リスク

次に、累積がん罹患リスク(生涯のうち、そのがんに罹患するリスク)を見てみましょう。
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こでは、全がんの数値に注目しましょう。男性では、生涯のうち何らかのがんに罹患するリスクは62.1%と高くなっています。
女性では48.9%です。そのため、「何人に1人か」では、男性も女性も「2人に1人(人間なので小数点にはならないため)」となります。
これが、冒頭の「がんは2人に1人がかかる時代」と言われる理由です。やはり、生涯で何らかのがんに罹患する可能性は、想定しておいたほうがよさそうです。

5.不安があるのは私だけ?

では、世間ではこの不安はどうとらえられているのでしょうか。こちらは、ケガや病気に対する不安の有無を性別・年代別に見たものです。
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男性よりは女性のほうがやや高くなってはいますが、性別・年代を問わず、ケガや病気に対する不安は高いといえます。
「ケガや病気に対する」のため、「がんへの不安」よりは対象範囲が広くなっていますが、それでも約9割の方が何らかの不安を感じています。

なお、表には掲載していませんが、感じている不安の具体的な内容の順位(男女合計の全体)は、

第1位「長期の入院で入院費がかさむ」
第2位「家族に肉体的・精神的負担をかける」
第3位「後遺症や障害が残る」
第4位「不慮の事故に遭う」
第5位「三大疾病にかかる」

となっています。

6.不安にどう備える?

では、がんを含む病気やケガへの不安にはどのような手段で備えたらよいでしょうか?こちらは、直近の入院時の自己負担費用や逸失収入の充当手段を年齢別に見たものです。
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いずれの年代においても、生命保険が預貯金を押さえ、充当手段のトップとなっています。
日本は生命保険の世帯加入率が約9割と高いこともありますが、やはり、「病気やケガに備えるなら生命保険」という考え方が広く浸透しているといえます。

7.がん保険の加入率

がんへの不安に生命保険で備える場合、まず思いつくのががん保険やがん特約への加入です。がん保険やがん特約への加入率を見てみましょう。
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男性は全生保では38.0%、民保では35.3%です。女性は全生保では40.0%、民保では35.1%となっています。
年代別に見ると、働き盛りといえる30歳代、40歳代、50歳代は、他の年代よりも加入率が総じて高くなっており、特に40歳代は、全生保では男性、女性とも加入率が最も高くなっています。

では、これらのデータを確認した上でソニーグループ社員はがん罹患に対するリスクにどう備えるべきか?
次回のコラムで解説していきます。