1.はじめに
シングルの方は自分のお金を自由に使うことができますが、その分家計管理が疎かになりがちです。今後のライフプランを見据えて計画的に資産形成を行うと同時に、自分の生活と大切な資産を守るために、保障(保険)の活用を検討することも大切です。
2.死亡保障
シングルで扶養親族がいない場合は、ご自身の葬儀代として300万円~500万円を目安に準備をしておけばよいでしょう。
3.医療保障
病気やケガで治療が必要となった際、シングルの方はご家族からの生活面・金銭面のサポートが得られにくい面があります。医療費として使える十分な資金をお持ちでない限り、医療保障へ加入しておくと安心です。
健康保険の「高額療養費制度」により、ひと月にかかる医療費の自己負担額には上限(ソニー健保の場合は1レセプトにつき2万円)がある為、必ずしも高額な入院日額保障は必要ありません。
一方、「差額ベッド代・先進医療費」は健康保険が対象とならず全額自己負担となる為、これらをカバーできる医療保険を検討するとよいでしょう。
ケガや病気に対する不安の内容
<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和4年度>
4.長期休業補償
病気やケガで長期にわたり働くことができず、収入が途絶えてしまうことは、ご家族から経済的サポートが得られにくいシングルの方にとって死活問題と言えます。
働けない期間の収入減少に備え、住居費や最低限必要な生活費を保険でカバーしておくと安心です。
5.個人年金
老後生活において、シングルは夫婦二人世帯と比べると老齢年金による世帯収入が少なくなる反面、一人当たりにかかる生活費・住居費は割高になります。その分、老後に向けた資産形成が重要となってきます。
中長期的に積立を行うことが賢い方法の一つと言えるでしょう。
年齢階級別金融資産残高および年間収入(単身世帯)
<総務省統計局「全国家計構造調査」/2019年>
6.介護への備え
介護を行う期間は平均して5年1か月、費用については、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用が平均74万円、月々の費用が平均8.3万円(合計約580万円)かかると言われています。(※)
老後に向けた資産形成に早くから取り組むことは、介護に対しても一定のリスク対策ともなります。
また、両親や家族の介護に際しては、「介護と仕事の両立」を重視し、介護 保険外のサービスも有効に活用しながら、介護者自身の負担軽減を図ることが大切です。
その為に必要な費用は、保険も活用しながら備えることを検討しましょう。
(※)出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査/令和3年度」
Point・まとめ
・シングルの場合、高額な死亡保障は必要ありません。300万円~500万円程度を目安に考えましょう。
・医療保障では、健康保険が対象とならない「差額ベッド代・先進医療」に対する備えを重視しましょう。
・ご家族等からサポートがなくても困らないよう、長期休業補償プラン等で働けない場合の収入減少には備えておきましょう。
・老後に向けた資産形成には、総合個人年金を活用しましょう。
・「介護と仕事の両立」をするために、介護保険外のサービスも活用しましょう。