福利厚生保険制度を活用する(2)~セーフティプラン・長期休業補償プラン~

5つの制度の活用事例や新制度の特集コラムを掲載しております。
毎月(株)ポラーノ・コンサルティング代表のファイナンシャルプランナーであり、FP相談室講師でもある深澤泉さんに保険コラムを執筆していただきます。
著者の深澤さんはFP相談室設立当初よりFP相談を担当されており、 独立後も外部コンサルタントとして各TECの相談を担当。会社の各種制度を熟知して、ソニー社員ならではの悩みを解決していらっしゃいます。
ぜひ、皆さまの福利厚生保険制度活用の参考にしてください。
※このコラムはFP相談室講師が福利厚生保険制度について解説をしたものであり、特定の制度や商品の募集ではありません。
グループ保険の活用法について解説した福利厚生保険制度を活用する(1)につづき、この記事ではセーフティプラン・長期休業補償プランの活用法について解説をしていきます。
入院・手術・先進医療などを中心とした医療保障を行う「本人・ファミリーコース」と、第三者への損害賠償責任などに関する補償を行う「ライフガードコース」があります。
保障内容の詳細はこちらをご確認ください。
下記で活用の一例を紹介します。
(1)受診する医療サービスの選択肢を広げたい人に
ソニー健保では医療費について、法定給付の上乗せである付加給付があるため、1人1ヵ月同一レセプト単位で2万円が自己負担の上限となっています。
しかし、それらはあくまで健康保険が適用されるものに限られています。先進医療、差額ベッド代など、健康保険が使えない診療については全額自己負担です。セーフティプランではこれらも保障の対象となっており、加入することにより受診する医療サービスの選択肢が広がります。
(2)がん保険の代替として
セーフティプランでは、病気による入院は1入院について360日まで保障され、いわゆる医療保険の中では長期間の保障が可能となっています。これに先進医療や放射線治療といったがんの治療に関する保険金が通常契約にセットされています。
さらにオプションでがんと診断された際に一時金が支給されるがん治療サポートがあります。つまり最近のがん保険に近い形での保障内容を確保することができます。
(3)現役中の医療保険を充実させたい方へ
セーフティプランでは、基本契約で保障される入院・手術の際の差額ベッド代のほか、オプションで最長1年の所得補償(自宅療養を含む)、前述のがん治療サポート、ケガの通院など、多様な保障が準備されています。
保険料が非常に割安なため、従来の医療保険にプラスして、オプションを含めたセーフティプランに加入し、医療保険を充実させる工夫も可能です。
(4)親族に代わって加入
セーフティプランの「本人・ファミリーコース」は、配偶者、子ども、両親、兄弟姉妹、社員本人と同居する祖父母・孫まで加入することができます。特に配偶者や子供の勤務先で、このような医療保障を行う制度がない場合、ソニーグループの社員が代わりに加入する方法があります。
(5)自転車保険の代替として加入
昨今、自転車に乗車中に通行人などにケガをさせて高額な損害賠償判決が出されるケースが多くなっています。そのため、第三者に対する損害賠償請求に対応するために、個人賠償責任保険や自転車保険の加入を義務付ける自治体が増えてきました。
「ライフガードコース」では個人賠償責任保険があり、1つの契約で同居家族全員をカバーします。これに本人・ファミリーコースのEタイプに加入すれば、被保険者自身がケガをして入院した場合もカバーすることができ、自転車保険と同様の補償内容となります。
(6)認知症に備える
「ライフガードコース」では、認知症高齢者の親が線路内に立ち入って電車を止めて鉄道会社に損害を与えたケースなどを補償します。高齢者の父母と同居していれば社員本人が加入すればよいのですが、別居している場合は高齢者の父母自身に加入してもらう必要があります。
入院や自宅療養で就業障害が発生して2年経過後から最長60歳まで、月々10万円から50万円を補償するものです。
一般に販売されているこのタイプの保険商品では、保険金が支払われない期間(免責期間)が60日などのように、長期休業補償プランと比較すると短くなっています。
その結果、健保の傷病手当金の支払いと重複する部分が長くなり、ムダな補償が発生します。
長期休業補償プランは、健保組合の給付と連動させ、重複する部分をできるだけ少なくしてムダのない保障設計となっています。したがって、保険料のムダもありません。
保障内容の詳細はこちらをご確認ください。
下記で活用の一例を紹介します。
(1)特に20~30代の若い世代の人に
病気やケガで休職期間が満了すると退職となり、その後の収入が途絶えます。特に若い世代は本来継続した収入が得られたと考えられる期間が長いため、逸失利益は非常に大きな金額となります。本人は生存し続けるため、生活費・住宅費・医療費などの支出がその後継続します。
このリスクは実現する可能性は非常に小さいと言えますが、死亡リスクと同等、またはそれ以上の損害規模となる可能性があります。本人がその損害を被るため、家族構成を問わずこのリスクに対する備えをすべきです。このタイプのリスクは保険商品でカバーすることが合理的で、長期休業保障プランはその一つの選択肢です。
(2)就業不能保障のない住宅ローンがある人に
住宅ローンを組んだ人は団体信用生命保険に加入し、ローン返済中の死亡・高度障害状態に備えます。最近の団体信用生命保険では、一定期間就業不能となった場合に保険金でローンを完済する保障内容が組み込まれているものがあります。
この保障が組み込まれていない住宅ローンが残っている人は、一定期間このプランに加入すれば、収入が途絶えたときに住宅ローンの返済が滞るリスクに備えることができます。
(3)精神疾患による休業補償を行いたい人に
一般に販売されているこのタイプの保険商品では、精神疾患による就業不能については、保険金は支払われないか、支払われるものでも通算して12ヵ月などのように短期間の補償となっています。
長期休業補償プランでは、最長36ヵ月の保険金の支払期間となっている点が特徴です。精神疾患による就業不能にも備えたい人に向いています。
皆さんには、今後のライフプランの中で行うべきリスクマネジメントのツールとして、福利厚生保険制度も選択肢です。保障・補償内容や保険料について、一般に販売されている保険商品と比較しながら商品を選択してみてください。
次回は介護両立支援プラン・総合個人年金の活用方法について解説します。