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介護リスク チェックリスト

いずれ訪れる親の介護問題。できるだけ長く元気でいてもらい、たとえ介護が必要になったとしても重症化させないことが大切です。そのためには、介護につながる危険や懸念事項を早めに見つけて対応することが肝心。歳を取っても"それなりに"健康でいてもらうために、親が60歳以上になったら下記の10項目をチェックしましょう。

親が60歳になったらチェックする10項目

親自身のこと

  • 1. パソコン、スマートフォン、LINEなどのITツールを使っていますか?実家のインターネット環境は整っていますか?

    介護予防に大切なのは日頃のコミュニケーション。高齢者にはITは無理と決めつけず、ITツールが使えるようになってもらいましょう。

  • 2. 自己紹介を会社や仕事の肩書なしにできますか?

    地域のコミュニティの場では「〇△の会社で部長でした」というよりも「人前で話すのは得意です」のような自己紹介の方が仲良くなれます。

  • 3. 眼科での定期健診をしていますか?

    見えにくさを歳のせいにしていると、思わぬ疾患の可能性が。目のトラブルから介護に繋がることもあります。

  • 4. 歯科での定期健診をしていますか?

    食べることは生きること。お口の健康はよりよく生きることに直結しています。歯や口腔のトラブルから介護に繋がることもあります。

  • 5. 肺炎球菌のワクチンを接種していますか?

    肺炎は60歳代の死亡原因の第5位。60歳代を過ぎると健康そうに見えていても免疫機能が低下しているため感染症にかかりやすくなります。

  • 6. 持病の定期健診をしていますか?

    高齢になると病気は「治す」のではなく「つきあう」ものにもなっていきます。今のうちからかかりつけ医を持ち、定期的に診てもらうことが大切です。

  • 7. 自治体が実施している定期健診を受けていますか?

    60歳代になると人間ドックの受診率が一気に下がります。病気を早期発見するために欠かせない検診は定期的に受けましょう。

  • 8. 肉を週2回は食べていますか?

    魚や豆腐を好んで食べたり、メタボを意識して野菜中心の食事になったりすると、たんぱく質不足の危険が。やわらかい物ばかり食べていると噛む力も弱まります。

自分自身のこと

  • 9. 親の趣味や楽しみを知っていますか?

    親がどんな生活を望んでいるのかを知っておくことは、いざ介護が必要になったときに役立ちます。

  • 10. 親の健康状態を知っていますか?

    離れて暮らしていると特に、元気そうに見えても実は介護リスクがあることに気づきにくいもの。持病はないか、体力が弱っていないか、日頃から気にかけておきましょう。

≪Point≫ 歳をとっても衰えない生活習慣、できていますか?

日本人の平均寿命は、平成30年(2018年)簡易生命表(厚生労働省)によると男性が81.25歳、女性が87.32歳。90歳や100歳まで生きることはもはや当たり前となりました。親には60歳からの人生、できるだけ長く、そこそこ元気に楽しく暮らし続けてもらいたいものです。

仕事をリタイヤすると暮らしの中心の場は「地域」となりますが、特に男性の場合はなかなか地域になじめないことが多いようです。在職時代の肩書にこだわっていると地域に受け入れられにくいので、仕事以外のことで自己紹介ができるようになっておいてもらいましょう。

医療機関での定期検診や予防接種は重要です。緑内障などで視力が弱くなると、本を読まなくなり、外出の頻度も減り、気持ちがふさぎがちに。歯にトラブルがあり堅いものを噛んで食べなくなると筋力にも影響し、転びやすい体になります。50歳代までは肺炎で亡くなることはあまりありませんが、60歳代では肺炎は死亡原因の第5位にランクインします。

介護が必要な状態にならないためには、十分な「たんぱく質」の摂取も必要。食事でとったたんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、吸収された後、体に必要なたんぱく質に再合成されますが、高齢になると合成能力が低下します。このため、高齢者は「意識してたんぱく質をプラスする」ことが大切です。元気高齢者に話をきくと「普段からよく肉を食べる」と答える人が多く、まったく肉を食べないという人は虚弱(フレイル)傾向にあることも報告されています。

「介護が必要になったら」と考えると暗い気持ちになりますが、介護予防のためにも、介護に備えるためにも、親とは日頃からコミュニケーションをとることが何より大切です。

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親が65歳になったらチェックする10項目

親自身のこと

  • 1. 未払いの請求書の束がたまっていませんか?

    公共料金などの支払いが滞っている場合は、本人は「うっかりしていただけ」と言うかもしれませんが、認知症の始まりのサインかもしれません。

  • 2. お財布が小銭でパンパンになっていませんか?

    計算がわからなくなって1万円札ばかり使っているのかもしれません。

  • 3. 健康食品を買いすぎる、高額な買い物をよくするなど、不自然な出費はありませんか?

    本当に必要な買い物であれば問題はありませんが、中には高齢者を狙った詐欺まがいの商法も。おかしいな、と思ったらよく話を聞いてみてください。

  • 4. 最近、簡単な料理しかしない、あまり料理をしないなどの変化はありませんか?

    本人は「食べてくれる人がいないから」「めんどくさくて」などと言うかもしれませんが、料理の手順がわからなくなっているのかもしれません。

  • 5. 介護保険証の交付案内を確認していますか?更新書類はそのままになっていませんか?

    65歳になると自治体から介護保険証が交付されます。保険証を持っているだけでは介護サービスは受けられず、要介護認定の申請をする必要がありますので、保管場所を確認しておきましょう。

  • 6. 主治医を決めていますか?

    高齢者の場合、病気のことだけをわかってもらうのではなく、生活の様子や困りごとを知っている医師を主治医にすることが大切です。

  • 7. 食事は3食とれていますか?

    過体重やメタボを気にする40代~60代前半とは違い、65歳頃からはエネルギー不足による低栄養に気をつけましょう。

自分自身のこと

  • 8. 親の預金通帳、保険証書、印鑑等の保管場所、カードの暗証番号を把握していますか?

    万が一認知症が進行し金銭管理ができなくなった場合に備えて、元気なうちから保管場所等を共有しておきましょう。

  • 9. 親しくしている地域の友人がいるか、親の交友関係を知っていますか?

    介護が始まると、案外力になってくれるのが"ご近所さん"です。親の交友関係を知り、一度あいさつしておくと、いざというとき頼りにできます。

  • 10. 親が服用している薬について知っていますか?(お薬手帳の保管場所を知っていますか?)

    あまり考えたくないことですが、倒れて救急搬送された場合、服用している薬について聞かれます。お薬手帳への記録と管理をわかるようにしておきましょう。

≪Point≫ 認知症リスクを早めにチェックして介護に備えましょう

いよいよ高齢者の仲間入りとなる65歳。介護保険サービスを受けることができるのも65歳からです。

2025年には65歳以上の5人に1人は認知症になると推計されており、まだまだ元気と思っていても、実は認知症のサインが出始めているかもしれません。「うちの親はしっかりしているから心配はいらない」と思われるかもしれませんが、認知症は突然発症するものではなく徐々に症状が進むため、家族は気付かない場合があります。実際、認知症の家族を介護する多くの人が「今思えばあの頃から始まっていたのかも」と振り返っています。

認知症の人の場合、たまに会う家族の前ではしっかりしていることもあり、とかく見過ごしがちですが、少しでもいつもと違う、何か変わった...と思うことがあったら、電話ではなく直接、会って話すこと。遠くてなかなか帰ることが難しい場合も、数日時間を作って、顔を見ることをおすすめします。初期に気付くことができれば進行を遅らせる、重症化させないなどの対処ができます。

認知症に限らず、65歳を過ぎると持病が増えたり、体力が弱ってきたりして、思わぬ病気や怪我につながることもあります。複数の病気を患う場合などは特に、生活指導、服薬管理が重要になりますので、普段の生活の様子をよく知る"かかりつけ医"をつくり、主治医になってもらうことが大切です。

親が暮らす街の"仲良しさん"や"ご近所さん"は最近の親の様子を知る何よりの情報源。日々の見守りと共に、離れて暮らす家族が見落としがちな変化に気付いて、連絡してもらえるような、そんな関係を早めに作っておきたいものです。

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親が70歳になったらチェックする10項目

親自身のこと

  • 1. 椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がれますか?

    どこかにつかまったり、誰かの手助けがないと立ち上がれなかったりする場合は、体力や運動器が衰えているサインです

  • 2. さきいか、たくあんくらいの硬さの食品を普通にかみきれますか?

    咀嚼力の低下は低栄養を招き、高齢者の生活の質の低下や、さまざまな合併症を引き起こす危険性があります。

  • 3. この半年間で2~3㎏以上の体重減少はありませんか?

    体重の減少がみられる場合は、低栄養の可能性があります。食生活を見直して、3食パランスよく食べ、欠食は絶対に避けましょう。

  • 4. 昨年と比べて外出の回数が減っていませんか?

    外出機会が減り社会との接点が少なくなることが認知症を引き起こすこともあります。

  • 5. 趣味や好きなテレビ番組に興味がない様子はありませんか?

    認知症になると、周囲の人と話がかみあわない、話のつじつまが分からないなどの経験が重なり、趣味活動から離れたり、ドラマなどテレビ番組をみなくなったりします。

  • 6. 消費期限の切れた食品はありませんか?

    度重なる場合は特に、認知症の可能性が高いかもしれません。早めに医療機関を受診し、ほかにもいつもと違う様子がないか、気を付けてみてください。

  • 7. 火災や地震の対策、緊急時の通報の仕組みなどはできていますか?

    高齢者だけで暮らしている場合は、災害時への備えは特に重要です。日頃から緊急時の連絡手段を確認しておきましょう。

自分自身のこと

  • 8. 親が住む地域の「地域包括支援センター」の場所と連絡先を知っていますか?

    地域包括支援センターは"高齢者のよろず相談所"で、介護の最初の相談窓口です。高齢者の生活にまつわる困りごと全般の相談ができます。

  • 9. 介護が必要になったときどうしたいと思っているのか、親と話したことがありますか?

    介護でいちばん大切なのは本人の意思。子どもからは切り出しにくい話題ですが、子どもが思うほど親は自分の介護についてどう考えているか話すことに抵抗はないかもしれません。

  • 10. 延命治療について、親と話したことがありますか?

    延命治療に対する考えは、一度こうと決めたら変わらないというものではありません。日々考えは変わるものとして、あまり重くとらえ過ぎず話題にしてみてください。

≪Point≫ 70歳から特に重要になるのが「フレイル対策」

高齢者の要介護率は、後期高齢者となる75歳を超えると加齢とともに急速に高まります。生活習慣の改善、足腰を鍛えるなど、本人が日頃から介護予防に努めているか、また、介護の予兆を見逃していないか、親が70歳になったらチェックしておきましょう。

身体的機能や認知機能が低下して介護の一歩手前の状態を「フレイル」といいますが、70歳からはフレイルにならないための生活をすることが特に大切です。フレイルは「栄養」「口腔」「運動」「社会性・こころ」の状態でチェックします。何かにつかまらないと椅子から立てない、急激に体重が落ちた、硬いものがかめない、外出頻度が減るなどは、フレイルの可能性が高く、放っておくと介護が必要な状態になってしまいます。かかりつけ医に相談し、できることから生活改善に取り組んでみてください。高齢者であっても適切なトレーニングを行えば筋力は回復します。

あまり人と交流せず社会参加が乏しいと認知症発症リスクが高まるというデータもあります。親しい友人が近くにいなくて家に閉じこもりがちという場合には、お気に入りの喫茶店を見つけたり、ボランティア活動や趣味の教室などに誘ってみたりするのもいいかもしれません。遠方に住む友人がいるならメールや手紙でつながっておくのもよいですね。

もし、既に認知症が疑われる場合や、怪我や病気などが心配という場合には、親が暮らす地域の「地域包括支援センター」に相談しましょう。地域包括支援センターとは、介護や医療、生活支援など総合的に対応してくれる「高齢者のよろず相談所」。主任ケアマネジャー、保健師または看護師、社会福祉士などの専門家がいます。認知症かもしれないが親がなかなか受診してくれない、といった相談にものってくれます。自治体によっては必ずしも「地域包括支援センター」という名称ではありませんが、各地域の中学校区ごとに必ず設置されています。

親の介護について、延命治療についてなどは、なかなか切り出しにくい話題です。そのときが来たら聞いてみよう、とりたてて話さなくても分かりあえる、などと思いがちですが、それでは肝心なことを知らないまま時が過ぎてしまいます。また、本人の希望は変わるものです。あまり大げさに考えず、ちょっとした体調変化や環境変化などのタイミングにでも気軽に話題にしてみてください。日頃から会話を重ねることで、親がこれからどんな生活をしたいのか、どこで暮らしたいのか、そして最期はどのように迎えたいのかが見えてくるかもしれません。

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