仕事と介護の両立は何が大変?
親の介護は子育てよりも高い確率で誰にでも起こります。
介護の対象となった親は公的介護保険(※)で介護サービスを受けることができますが、自分(社員)が働いている時間全てがカバーされるわけではなく、自分が介護を担ってしまうことがあります。
仕事と介護を両立するには、民間のサービス等も活用しながら自分が介護を担うのではなくマネジメントすることが大切です。
(※)公的介護保険の解説・詳細(外部リンク WAM NET)
もっと詳しく
介護の専門家が介護と仕事の両立をテーマにコラムを執筆しております
- 働く人を支えるための介護情報 ~日本の介護をとりまく現状~
- 働く人を支えるための介護情報 ~働きながらの介護の実際と進め方(1)~
- 働く人を支えるための介護情報 ~働きながらの介護の実際と進め方(2)~
- 働く人を支えるための介護情報 ~仕事と介護の両立の実際(1)~
- 働く人を支えるための介護情報 ~仕事と介護の両立の実際(2)~
川上由里子さん
ケアマネージャー 看護師 産業カウンセラー
福祉住環境コーディネーター2級
大学病院、高齢者住宅等で看護師として勤め、三井不動産ケアデザインの立上げに参画。働きながら介護する人を支えるコンサルを行う。独立後、企業のアドバイザーの他、介護相談、講演、執筆活動を行っている。並行して自身も父親の遠距離介護を体験。
介護両立支援プランは、介護の専門家監修の上で作られた
仕事と介護を両立するためのソニーGpオリジナル制度です。
介護両立支援プランは、自分(社員)が介護をマネジメントしながら仕事も生き生きと続けていけることを支援したいという想いから生まれました。
金銭的なサポートに加えて、介護の専門家による電話相談サービスで情報を提供することで、「時間」を捻出して、仕事やプライベートのリズムを崩さない介護の実現をサポートします。
一般的な民間介護保険と介護両立支援プランの違い
一般的な民間介護保険 | 介護両立支援プラン | |
---|---|---|
保険金の 支払われ方 |
一時金払型の介護保険の場合、まとまったお金が一時金で支給される | 保険金額を上限として実際にかかった費用を補償する実損払 商品の仕組みとスケールメリットによる割安な保険料となっている |
介護状態 認定基準 |
要介護2や要介護3の保険も多い | 要介護1かつ認知症生活自立度Ⅱa以上または要介護2から5 要介護1でも、認知症状の進行によっては補償対象となり、仕事と介護の両立を手厚く支援 |
利用できる 電話相談 サービス |
対象者となる親の介護に対するアドバイス | 仕事と介護の両立のプロフェッショナルが介護の相談はもちろん、介護する側の働き方もサポート 介護両立支援プランの金銭的補償に対する利用方法のアドバイスも受けられる |
介護両立支援プラン活用例
介護は始まってから終わりを迎えるまで、介護度の変化に伴い住まいや介護する側のサポートの仕方も変わってきます。
介護の状況に合わせた介護両立支援プランの活用例をFP相談室の講師である介護専門家にきいてみました。
どんな時にどんなことが起こり、どれくらいの費用がかかるのか
そのケースで両立支援プランをどれくらい利用することができるのかを示します。
遠距離介護での介護両立支援プラン活用例
①要介護認定1認知症生活自立度Ⅱaに認定され、遠距離で親の在宅介護と仕事の両立を実施する例
費用項目 | かかる費用 | 介護両立支援プランで 補償される費用 | |
---|---|---|---|
介護対象者に かかる費用 |
・デイサービスの自己負担部分 2回/週 |
5,600円/月 | 5,600円 |
・配食サービス費用 2回/週 |
6,400円/月 | 6,400円 | |
・緊急通報サービス ・見守りサービス |
初期費用64,000円/月 月額費用7,500円/月 |
初期費用64,000円 月額費用7,500円 |
|
介護する側に かかる費用 |
・社員の自宅の家事代行・シッター費用 | 24,000円/月 (週1回6,000円×4) |
24,000円 |
・実家への帰省費用 | 20,000円/月 | 17,000円/月※共済引受上限に達するまで | |
合計費用 | 初期費用64,000円 月額費用63,500円 |
初期費用64,000円 月額費用60,500円 |
②要介護認定3に認定され、遠距離で施設介護と仕事の両立を実施する例
費用項目 | かかる費用 | 介護両立支援プランで 補償される費用 | |
---|---|---|---|
介護対象者に かかる費用 |
・グループホームの月額利用費 自己負担部分 | 入居費用200,000円/月 月額費用100,000円/月 |
入居費用200,000円/月 月額費用100,000円/月 ※共済引受上限に達するまで |
・介護ベッドレンタル | 10,000円 | 10,000円 | |
・徘徊探知機GPS | 加入料金4,000円 月額1,400円 |
加入料金4,000円 月額1,400円 |
|
介護する側に かかる費用 |
・社員の自宅の家事代行・シッター費用 | 24,000円/月 (週1回6,000円×4) |
24,000円 |
・実家への帰省費用 | 20,000円/月 | 17,000円/月※共済引受上限に達するまで | |
合計費用 | 入居費用・初期費用204,000円 月額費用158,000円 |
入居費用・初期費用204,000円 月額費用155,000円 |
介護両立支援プランを活用された社員からのお声と
それに対する専門家コメント
親の介護にかかる費用としてありがちなデイサービス利用の自己負担費用(食費等)や配食サービスの利用費に加えて、私自身の自宅の家事代行の利用費も補償されたので、家事にかかる時間や体力を親の介護のため、自分自身の休息にあてることができ、仕事にも専念することができました。
介護講師コメント
離れて暮らす家族に緊急通報や見守りサービスが利用できると落ち着いて仕事に専念することができます。
自費となるので介護両立支援プランで補償されるのは助かりますね。
さまざまなタイプがあるので親とよく話し合い家族の暮らしにあったサービスを選択し導入することがポイントです。
まずは専門家による電話サポートを受けるのがコツです!
FP講師コメント
介護の状況は千差万別です。
介護期間や親の金銭的状況、近居・遠距離等のいくつもの要素が重なっているため体系化しにくく事前の準備が難しいことが特徴です。
介護両立支援プランは様々なケースに備えて補償設計がされているので、将来的な介護に対する心配を軽減するようにできており安心です。
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対象者が何歳まで補償されますか?
新規加入は対象者の年齢が満40歳以上満79歳以下の方が対象となります。一旦ご加入いただくと、満89歳まで継続することが可能です。
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どのような場合に保険金を受取ることができますか?
保険金支払いの対象となる要介護状態に認定された後、公的介護の自己負担費用・上乗せ費用のほか、介護施設入居費用や月額費用・配食サービスの費用など介護にかかる様々な費用を補償します。
その方の介護の状態によって専門家が電話相談サービスで上手な保険の使い方をアドバイスします。
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退職後は継続できるの?
退職後も原則在職時と同じ補償内容で自動継続となります。
(保険料払込方法は給与控除から口座振替に変更となります。)
介護講師コメント
公的介護保険だけでは仕事と介護の両立をしていくことが難しく、公的介護保険外の民間サービスを上手に活用する視点も大切です。
費用はかかりますが、介護する人の負担軽減や、その人らしい暮らしの実現につながりますよ。